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2008年12月31日水曜日

映画「数奇な人生」




映画「THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON」邦題「数奇な人生」を観た。
「華麗なるギャッピー」を残した現代アメリカ文学の F.S.フィッツジェラルドが、書いた小説を 映画化したもの。
自分が監督する映画には必ず ブラッド ピットを起用する「セブン」や「ファイトクラブ」のデビッド フィンチャーが監督。
早くも、主演のブラッド ピットが オスカー主演男優賞のノミネートされると、予想されている。 とにかく ハリウッドで一番セクシーな男優 ブラッド ピットと、世界で一番美しい女優、ケイト ブランシェットの組み合わせだから、配役に もんくはない。

80歳で、生まれて 年を重ねるごとに 若返る男の数奇な一生を描いた作品。この男、ベンジャミンが 生まれてくる前に あるできごとが、あった。 あるところで、時計職人が幸せな結婚をした。息子が生まれ、家族仲良く暮らていたが、息子が大人になった頃 戦争に駆り出され、遺体になって帰ってくる。時計職人は息子の死を嘆いて、市から依頼されていた 中央駅に掲げる大時計を、時間が反対に過去にむかって進むように作って、駅におさめる。人々は 驚きあきれるが、息子を失い その死を嘆き 時間を逆にもどしてしまいたい父親の気持ちを理解してやる。

そんなときに、ある職人の家で 赤ちゃんが生まれる。 母親は難産にために、亡くなる。生まれてきた赤ちゃんは しわだらけ、目は白内障だし、体中の関節は関節炎で腫れている。小さな醜い 気味の悪い老人にしか見えない赤ちゃんの出現に動転した父親は、赤ちゃんを養老院に捨てて、立ち去る。養老院で働く若夫婦は、信心深い 人格者で、赤ちゃんを 自分達で育てることにする。アフリカンアメリカンの母は、赤ちゃんをベンジャミンと名付けて、実子同様に可愛がって育てる。

ベンジャミンは やがて、養老院におばあさんを訪ねてやってくる ひとりの美少女 デイジーに恋をする。少女も、ベンジャミンおじいさんが 大好き。二人は、とても気があって、一緒にテーブルの下で、本を読んだり、仲良く遊んで過ごす。  やがてベンジャミンは、歩行器がなければ歩けなかった おじいさん時代から、壮年時代に入り、船員として職を得る。デイジーは、プロのバレリーナとして成功していく。舞台裏にデイジーの花束を届けに 会いにくるベンジャミンを 会うごとに若くなっていく姿に驚きながらも、デイジーはいつまでも心の交流を続ける。

その後、交通事故でプロのバレリーナの道を閉ざされたデイジーにとって、帰ってこられるのはベンジャミンのところしかなかった。ともに、30代のころの二人は、愛し合い、一緒に暮らして 幸せのいっときを共に過ごす。
デイジーが40代にはいって、子供向けのバレエ教室が軌道にのって、ますます幸せな生活に満ちているなかで、デイジーは 赤ちゃんを産む。ベンジャミンは、子供が育っていくに従って、自分が益々若くなっていくことに、不安でしかたがない。いつか、子供のために、身をかくし、父親らしい父親を見つけてこないとならないと、考えている。 そして遂に ベンジャミンは財産も何もかも デイジーに残して、消息不明になる。それから、また10年たって、、、、そのまた10ねんごには、、、というふうに、お話は続く。

時計職人が 時間が逆にまわる時計を作ったことがきっかけで、年とともに若返ってしまう一人の男の悲劇的な一生を、描いた作品。ありえないお話ではあるけれど、それを良い役者が演じていて、なかなか見ごたえのある映画だった。出てくるごとに 若くなるブラッド ピットが、スリルだ。テイーンのころもブラッド ピットの しわひとつない 可愛い顔、うーん、負けそう。本当に40代ですか?

ケイト ブランシェットの神々しいまでの、美しさ。透き通るような肌に、完璧なプロポーション。舞台でバレエを踊る姿も、レオタードの練習風景も、どの本物のバレリーナよりも、美しい。5年とか10年とかバレエを習っていただけでは、あれだけのテクニックを踊れない。この女優、なんでも、本物だ。3人の男の子のお母さんだなんて、誰が信じるだろうか。改めて、女優って すごい、、、と思う。うっとりケイトの姿ばかり、見ていた。

子供は親より早くは 死なないでいるということが、何よりの親孝行だ。どんなことがあっても、先に死ぬことは、許されない。この映画の時計職人が息子を戦争で亡くして 時間を止めて、過去にさかのぼる時計を作った気持ちがよくわかる気がする。

クリストファー リーのスーパーマンも、悪と戦っているうちに、恋人が事故死することを食い止められなかったが、そんな自分の非力を悔いて、地球を反対に回して、時間を過去にもどして、恋人を助ける。そんなことができたら良い。過去に帰って 謝りたい人や、やり直したいことがたくさんある。そういうスーパーマンも、続編を編集中だと聞く。楽しみだ。