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2008年11月7日金曜日

とうとう パリ、ルーブル







スイスを後にして、とうとうフランスに入る。
朝早く、スイスのルツエルンを発ったのに、パリに着いたのは もう夕方。うす闇が下りている。パリ セーヌ河を見ながら 時間が惜しくて、気がはやる。ホテルは プルマンホテル。

地元のガイドに合流して、バスでルーブルへ。水曜だけ、ルーブルは夜10時まで開館していると聞いて ほっと安心する。バスは地下の駐車場に入る。そこから、歩いて前に進むと 広場に出て 三角形のガラスのピラミッドの底に迎えられる。入場料6ユーロ。

ルーブル美術館は 世界で最も大きな美術館のひとつ。 紀元前8000年から1848年までの作品を網羅している。ルネッサンス期には 居城だった。ルイ14世が ベルサイユに引越しするときに、初めて個展美術の研究をする場としてルーブルアカデミーを創立したのが はじまり。 アンリ4世は 芸術家をここに住まわせて 古代美術を陳列させた。 革命後は王室コレクションや 亡命貴族からの接収作品で、また、ナポレオンの征服によって さらに、美術館としても博物館としても収集が進み発達した。

1981年に大規模な ルーブル改造計画が始まり コレクションが再構成された。この時  発掘作業が始まり ルーブル美術館の下から800年前のフィリップオーギュスト王時代の要塞が出てきて、ルーブルは このオーギュストの要塞の上に建設されていたことがわかった。地下のホールに行くと 要塞の壁が見られる。そのところどころに ハートの削り後が見受けられ、これは800年前の人々の落書きであることがわかって 興味深い。ハートマークは 現代人だけのものではなかった訳だ。

1993年には 200周年を迎えたのを期に 離宮だったリシュレー翼が新たにオープンした。そのため新たに2万2千平方メートルの展示スペースが加えられた。2000年にプリミテイッブアート部門、2003年にイスラム美術部が開設。2005年は チュイルリー川庭園を一体化し、敷地をコンコルド広場まで広げた。

作品の中で、私が一番好きなものは、 「サーモトラケのニケ」(VICTORIE DE SAMOTHRACE)。 紀元前2世紀前半の彫刻。女神が船の軸先に立つ姿。シデでの海戦の勝利を祝うために、ロドス島民から奉納されたもの。1864年に発掘された。大理石で出来ており 高さ328CM, 横200CM。。118点の断片だった翼も完全に復元された。このあと、1950年に右手が発掘され、勝利を宣言して腕を持ち上げるポーズを復元することが可能になった。

女神は 海の偉大なる神々の神殿の中で、軍艦の舳先に立っている。大きな翼は 力強い体に衣服をなでつける海風を押し切って 広げられている。顔も、両腕もないのに これほど美しい彫刻を私は他に知らない。海に向かって広げられた翼は今にも飛び立ちそうな 躍動感に満ちている。女神が身にまとった薄衣が 風で押し付けられて体の線がくっきり現れて 美しい。衣の一つ一つのしわが 海風の強さを表している。見ていると、潮の香りがして、風の強さが感じられる。紀元前2世紀に これほど完成した美を 作り出す人能力を持った人々がいた ということに畏敬の気持ちをもつ。

ニケは勝利または、勝利の女神のこと。スポーツブランドのナイキは このニケからきている。ロゴマークは 女神の翼の姿を表しているということを、今回の旅で知った。
写真1: サモトラケのニケ
写真2: 800年前の落書き
写真3: ルーブル美術館地下のピラミッド