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2008年11月3日月曜日

フロレンス イタリア







ベニス、ローマを見てから フロレンスに着いた。
街全体が美術館と言われている。また天国に行く為の入り口とも。ルネッサンス発祥の土地だ。
フロレンスのまちに入るまで、キャンテイ丘陵地帯は 一面青々としたブドウ畑だった。豊かなトスカーナ地方はワインの生産地だ。ここで生産されるキャンテイワインはイタリア最高のワインといわれている。

街に着いて、落ち着き先はビラ ガブリエラ ダヌンテイオという地元のホテル。今回の旅行では このホテル以外はシェラトン、ヒルトン、コンチネンタルなど、世界のチェーンホテルばかりに宿泊したが、ここでは 初めて古い地元の歴史あるホテルに泊まることになる。

まずフロレンスで 地元のガイドに付いて初めに行くところは アカデミア美術館。
コシモ1世が初代総裁を務めた美術大学。学生の手本になる美術品を集めたのが始まりだ。ミケランジェロの「ダビデ像」がある。1502年から2年かけて作られた ルネッサンスの記念碑的な作品だ。 メディチ家は、芸術家を保護して育成した。ボッティチェリ、ミケロッツオ、ドナテッロ、ミケランジェロなど 特別に メディチ家から保護を受けてきたことが ルネッサンスという文化の革命の起爆剤になった。フロレンスの父と言われるコシモ デ メディチ全盛時代のメディチ家の富は ローマ法王やフランス王を合わせたよりも 大きかったと言われている。

「ダビデ像」のあるホールには、ミケランジェロの未完の4体の奴隷の像がある。その中のPRISONER ATLAS:「奴隷のアトラス」が未完ながら力強くて素晴らしい。両腕から顔の表情までもう構想ができているのに、どうして完成させなかったのだろう。人の筋肉の躍動 ダイナミックな生命力、今にも動き出しそうな人の姿の美しいこと。ひとつの石からできている像は 余程バランスよく彫りださないとこれほど長い年月 破損もなく完璧な姿で 歴史に残ることはないのだろう。ダビデ像の完成度の高さにいまさら気がつく。

次は、ドウオーモ:サンタマリア デルフィオーレ大聖堂を見る。1436年に完成。高さ107Mの巨大な円形屋根が載っている。横に「ジェットの鐘楼」があり、こちらは1359年完成。側面に施された56枚のレリーフや16体の彫像はピサーノや、ドナテッロの作品。これが素晴らしい。そのまた横に、8角形のサン ジョバン二洗礼堂。1336年完成。3つの聖堂の門があって、ひとつはピサーノの作品。 今まで観た教会はみなそうだが、教会には必ず 教会と時を告げる鐘楼と洗礼堂の合わせて3つの建物が並んで建っている。人々は 洗礼を済ませてからでないと教会に入ってはならない とされていたからだ。

ここでは教会、鐘楼、洗礼堂と3つそろって堅固な要塞のように大きく聳え立って居る。外壁は この地の特産、赤っぽい大理石と白い大理石と緑の石の3色で縞のもようになっていて、偉業を誇る巨大建物なのに 可愛らしいというか、現代的な感じがする。建物の外側 装飾が凝っていて美しい。いままでいくつもの教会を見てきた。イギリスのウェストミンスター寺院、ドイツのコロン大聖堂、インスブルック、ザルスブルグの教会、ベニスのサンマルコ寺院、ご本拠ヴァチカンのサンペテロ大聖堂、、、各国を代表するたくさんの教会を見てきたが、わたしはここフロレンスの サンタマリア デルフィオーレ大聖堂が 一番好きだ。デザインが洗練されていて 横縞の外壁の装飾が美しい。壁にはめ込まれている聖人の彫像もきれい。

シ二ョーリア広場、共和国時代の政治の中心だったところ。べッキオ宮殿とその回廊に囲まれた広場に「ネプチューンの噴水」がある。 その一角にアカデミアと言っていたが、沢山の時代を異にした 彫像が集められ 青空ギャラリーになっている。20ほどもある像の一つ一つが素晴らしい。略奪するローマ兵、首をもぎ取る兵士、嘆き女達、、、。歴史的な彫像を人々の手に触れられる広場に惜しげもなく ごちゃごちゃと置いてある。こんなところで生まれて、育つ若い人たちは 一体 子供のときからどんな絵を描くのだろう。

レザー加工場を見学させてもらう。3階建てのビルで 見学というより皮製品、バッグ、ジャケット、靴などを売っている。皮ジャンは持っているし、靴は皮でない軽いジョッギングブーツだし、、、欲しいものなどないのでサッサと出る。

娘と二人、歩いてポンテベッキオ(ポンテ橋)に行って見る。 金細工で有名なフロレンスで、金のアクササリーだけを売る店が 橋の両側に 50軒くらい並んでいる。どの店も ボンジョールノーと言って入っていくと、親切に色々見せてくれる。見るだけでも、出るときには あちらから気分よくグラーチェと言ってくれる。ピンクゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールドの3色を上手に配色よく使った繊細なネックレスがとても良い。3色の使い方が洗練されていて、オーストラリアでは勿論 日本でも見たことがないデザインだ。思わずヨダレが出そうになる。でも高い。シンプルなものでも2000ドル:20万円位。娘も随分迷っていたようだが、結局買わずに 重い足で帰ってくる。考えてみると、今日は、歩き回っているうちにお昼を食べるのを忘れていた。

夜は宿泊先のホテルのレストランが良くないらしく、歩いて他のホテルに食べに行った。キャンテイーワインは 飲みやすく良かったが 食事の方は どうと言うこともないチキンだった。ただコーヒーだけは さすがイタリア、本当に美味しい。