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2008年7月7日月曜日

映画「アンフィニッシュ スカイ」


オーストラリア映画「UNFINISHED SKY」を観た。邦題にすると「果てしない空」とか「終わりなき空」か。

監督:PETER DUNCANは、社会派の監督。
俳優:WILLIAM MCINNES    MONIC HENDRICKX    DAVID FIELD

ストーリーは、
クイーンズランドで牧場を経営しているデビッド(ウィリアム マッキネス)は、妻子を早産のときの事故で亡くしてからは、一人きりで生活してきた。典型的なオーストラリアの牧場で、隣の農家まで 何キロも離れている。一人で、羊を囲い、新しい牧草地に移したり、トラクターで小麦を作っている。いつも、ブルーヒーラーと呼ばれる牧用犬が一緒だ。孤独だが、平和な生活に満足している。

そんなある日、突然ふってわいたように はだしで、重傷を負って 泥にまみれた女がデビッドの土地にたどり着いたとたんに 意識を失う。デビッドは いやおうなく、女を家に連れてきて 洗って泥を落とし、寝かせて、傷の手当てをしてやる。意識を取り戻した女は 怖がって逃げようとするが、デビッドが自分を助けてくれたのであって、自分に危害を与えた男達とは違うことを悟る。デビッドは女がアフガニスタンから来たことがわかるが 英語を一言も話せない違法移民らしい女に関わって責任をもつ気など全くない。

しかし、デビッドは 町に出てみて、女を捜している男達に会って、自分の町の男達が女を人身売買する違法行為に手を貸していることを知り、女を匿ってやらざるを得なくなる。女は 長い一人暮らしで荒れ果てた家を ピカピカに磨き上げる。畑を手入れして、男の為に料理を作り、心を開いて、デビットに寄り添ってくる。
女は 自分の娘が 他の家族に引き取られて、オーストラリアに移民したので、それを追って 娘を取り戻しにきたのだった。デビッドは娘を探し出してやることを、約束する。孤独な魂が求め合うように 二人は愛し合うようになる。

しかし、ある夜、女の売買に関わっていた男達が悪に手を染めた警官と やってきて彼らを襲い、、、 というお話。

1998年のオランダ映画「THE POLISH BRIDE」のリメイクということだが、オーストラリアの社会派の監督が 前作よりずっと、上手に撮っている。

どこまでも続く青い空、赤い土。 果てしない土ぼこりの赤土がが続くなか、カーボ-イハットに、ジーンズ、ロビーウィリアムのブーツを履いた ごっつい男、その大きな背中、、これぞ、まさしくオージー男だ。可哀想な女を救う 強い男は無口で無骨な男だが 根は優しい。クイーンズランドあたりで牧場やっている男の典型みたいで すんなり納得できる。 孤独な牧場主と、移民の女という設定が良い。

自分の両親または自分がオーストラリアでなく外国生まれ、と言う人がオーストラリアの人口の43%を占める国、オーストラリア。民族の るつぼと言って良い この国で なかでも最も保守的な牧場主。彼の英語を一言も話せない女との出会いが おもしろい。
しかし、牧場主の外国人に対する差別と偏見が、自分の町の男達が正しくない人身売買に手を染めていると、知ったとたんに 正義の目覚めて、弱いものを守ろうとする 男の潔さ。男が無口なのが良い。

乾いた風の音が聞こえてくるような、干草のにおいが鼻をかすめるような、オーストラリアの土埃が感じられるような 映画だ。
こんな映画を観た後は、今夜は、レモンを齧って、テキーラで一杯だ。