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2023年8月23日水曜日

日米豪安保条約、反対!

日本では8月15日が「敗戦」記念日だが、オーストラリアでは9月2日が「戦勝」記念日。日本が戦艦ミズーリで降伏文書に調印し正式に戦争が終わった日だ。今年で78回目になる。シドニー、メルボルン、パースなど主要都市では、毎年与野党政治家、軍関係者、引退軍人やその家族などが参加して大きな式典とパレードが行われる。

日豪間でいえば、1942年2月10日に日本軍はオーストラリアのダーウィンを爆撃し、湾内に居た6艘の大型船が沈没、市庁舎や病院が焼失、人口5千人のひなびた田舎街で252人の死者を出した。人々は日本軍がシンガポールやマニラを侵攻していることは知っていても、まさか自分の国が爆撃されるとは夢にも思っていなかった為、混乱を極めた。その後、西オーストラリアのブルームへの爆撃では民間人70人が死亡、ニューカッスルとシドニー湾では、日本の特殊潜水艦が侵入し、魚雷によって海軍の補助艦が撃沈されて21人の死亡者を出した。
また、1942年2月15日シンガポール陥落などによって、捕虜になったオーストラリア兵は、3年半に渡って収容所で、ビルマ鉄道建設などの強制労働を強いられた。合計2万2376人の捕虜のうち8301人が死亡。日本軍がジュネーブ協定を守らず、捕虜を劣悪な環境と暴力で死に至らしめたことで、いまだにオーストラリア人の日本人に対する印象は、攻撃的、卑怯、野蛮、と至って良くない。

今年2023年7月13日に、2007年に締結された「日豪円滑化協定」が発効した。これで「日米安保」が「日米豪安保」として動き出す。3国は、軍事協定により国防軍を共同運用をし、有事の際には共同軍事行動することになった。日本の自衛隊基地や米軍基地にオーストラリア兵が米国兵同様ビザに関係なく出入りできる。
7月21日から8月4日までオーストラリアで行われた合同軍事演習では、自衛隊が参加して、三菱重工が製造した12式地対艦誘導弾が、シドニー近くのジョービスベイで発射訓練が行われた。このミサイルは射程距離200キロ、海上の艦船を攻撃する。これらの軍事演習は、「自由で開かれたインド太平洋」のためだそうだが、誰のための自由、誰のために開かれた海なのか。「自由」が米国とその連合軍側にとってだけの「自由」であって、他の国の「自由」を踏みつけ抑制する自由であるならば、それは断じて「自由」ではない。

将来の「自由で開かれたインド太平洋」を考える前提として、なぜ日本軍が過去に戦争で、他国にないほどの310万人の死亡者を出したのか。なぜオーストラリアを爆撃したのか、何故韓国を併合し、中国を侵略したのか、何故アジアの国々を蹂躙したのか、なぜ当時日本のGDPの12倍を持った米国に宣戦布告したのか、反省し考察すべきだろう。

2000年代、米国はイラク、アフガニスタンに、誤った情報によって露骨な侵略をして傷だらけになって撤退した。
2010年代、米国は、イエメン、リビア、シリアに代理人として軍事行動をおこした。
2020年代、米国はウクライナに代理戦争を仕掛け、台湾をけしかけている。
戦争を一貫して続行している国、米国。戦争を続けざるを得ない、武器産業に経済を牛耳られている国、米国。その一翼を担う国、日本。わたしたちは額に汗して働いたお金が、米国が武器を無限大に製造し、売り付け、消費されるために使われていることを認識しなければならない。優秀な成績で大学を卒業した君は、総合企業ジャイアントの三菱重工に就職するのか。いま会社が製造しているミサイルは一体誰に向けられているのか。撃てば必ず倍にして撃ち返される。それでも君は撃つのか。誰に向けて。

ベットミドラーの「バラ」を歌ってみた。英訳してみると:
 愛は大きな河   流れて川下で葦に抱かれる  愛はカミソリ   心を切り裂き傷つける   愛は飢え   休みなく求められる   愛は花  あなたはその花の種    壊れるのが怖くて   人に触れることもなく   目をつぶったまま
掴み取ろうとしない  与えようとしない  そんなじゃあダメ   一人きりの夜   遠い路を歩いていて  運が良い人だけしか愛に出会えないと思うのかい?  冬の冷たい雪の下に蹲っている種   春になれば陽を浴びて  薔薇の花を咲かせるよ
I am singing [ THE ROSE ] by Bett Milder