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2023年6月15日木曜日

良識ある入管法と差別禁止法を

世界中で難民数が、戦後最多数の1億1千万人を超えたとUNが発表した。
戦争、内戦、政治的迫害、気候変動による環境破壊、飢饉などによって自分たちの生まれ育った土地で生きていくことができなくなった人々が、日本総人口に近い数となり、続々と生きることが可能な土地を求めて移動している。
先進国が、今年これらの難民をどれだけ自分の国に、人道的立場で移民として受け入れたか。
英国:63%、カナダ:62.1%、米国:32.2%、ドイツ:25.9%、フランス:17.5%、豪国:16%。日本:0.7%。
他国と比較すると、日本がいかに難民受け入れを拒否している様子がよくわかるが、入管法改正案が議会で強行採決されたことで、一層鎖国的で人種差別的な日本の体質が明らかになった。

豪国では難民認定率は16%だが、国民人口比でみると受け入れ難民は多い。2023年すでに17875人の難民認定し、戦後95万人の難民に市民権を与えている。また難民でなく合法的に入国した移民は遥かに大量に受け入れてきた。 2023から2024までに、政府は19万人の移民受け入れを期待している。とくにスキルワーカーと言われる医師、獣医、ナース、薬剤師、IT,鉱業、建設業など専門家が人手不足で喉から手が出るほど欲しいので、政府はやっきになって留学生と移民希望者を募っている。
国力とは人力であり人口を基盤にするので、人口が多い国が経済力を持つ。日本はこれから極端な少子老人国となり、経済力も停滞し低下する。働けば食べて行ける経済力を国が維持するには人口を増やして移民を奨励し、難民を受け入れていく必要がある。まず今、日本に居る外国籍の人々を移民として受け入れるように、出入局管理法を改定してもらいたい。そして働く場を確保してほしい。

私は家族赴任で住んだフィリピンで夫を無くし、シングルマザーで2人の娘を連れて豪国に移民した。もう30年近く前のことだ。娘たちは大学を出てそれぞれの専門家となり独立し、家庭を持った。豪国では、移民に永住権が認められると、国民健康保険と、510時間の英語のクラスに通えるようになる。私は職業訓練所(TAFE)で日本の看護師の資格を豪国の資格に切り替えるためのクラスを、20週間受けたが、ほとんど無料だった。
いまシドニーで公立病院の心臓外科で働いた後、エイジケアでナースをしている。50人の患者に対して、約60人の職員。職員の出身国の内訳は、英国、フィリピン、ネパール、ベトナム、バングラディシュ、中国、香港、タイ、ニュージーランド、トンガ、フィージー、ガーナ、シオラレオーネ、チリ、セルビア、旧ユーゴ,
マセドニアなどなど、多様だ。豪国産まれ、豪国育ちの純粋オージーは2人しかいない。国民の4分の1以上が外国生まれという移民国家だから、職員も患者も世界中から来た人々だ。

人種差別をする人は確かにいる。女性差別者もいて、週に1人の割でパートナーに殺される家庭内暴力もあって、深刻な社会問題を抱えている。しかし、それを勝る差別反対する人々が居て、差別禁止法が生きている。私は有色人種で、女性で、73歳、しかしそれを理由に雇用者は私に差別したり、退職を勧めたりできず、今からほかの職場に移る転職も望めばできる。なぜなら差別禁止法が機能しているから。人種、ジェンダ―、年齢、宗教、文化、バックグランド、言語、文化の違いによって人は人を差別してはいけない、という差別禁止法が機能していて、それを人々が理解するだけの「良識」をもっているからだ。
日本にも難民を受け入れるための新しい入管法と、LGBTQIを含めた包括的な差別禁止法を、そして政治に関わる議員たちに「良識」を! それが今ほど必要なときはない。

ムーンリバーを歌ってみた。ジョニーマーサ作詞、ヘンリーマンシーニ作曲,1961.ラブソング。
歌詞の意訳は
ムーンリバー  大きな河   いつかひとりで渡ってみせる  昔からわたしに夢をみせてくれたり  夢を壊してくれもしたけど   わたしはあなたについていく   2人とも漂う木の葉みたいに  未知の世界にむかって  流れていく  虹の端っこまで行ってみよう   わたしの昔なじみのともだち  ムーンリバー わたしの大きな河