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2023年1月25日水曜日

28回目のオーストラリアデイ

1月26日はオーストラリアデイで祭日だ。1770年探検家キャプテンクックがシドニー湾に上陸した後、初代英国総督アーサーフィリップが正式に英国王室による領有宣言をしたのが1778年1月26日だった。
そしてユニオンジャックの下、先住民族アボリジニの大虐殺が始まる。先住民アボリジニは、6万年もの長い歴史の中で独特の文化を継承してきたが、英国侵略により100万人の人口の90%以上を失った。アボリジニはアフリカの奴隷売買された人々と違って教育しても訓練しても怠惰で働かない、と決めつけられて害獣として殺戮された。侵略者によるスポーツとしての狩りの対象にもなった。今は、保護政策により豪州の総人口の3%まで回復している。アボリジニを殺しまくり英国の刑務所として船で送られてきた囚人によって作られた国、それが豪州だ。

オーストラリアデイは毎年、国旗が高々と掲げられ自衛隊、警察、消防隊、海難レスキュー隊などが晴れ晴れしく行進し、コンサートが行われ、外国から移民してきた人々に式典で念願の市民権が授与されるめでたい日だが、一方では「アボリジニ侵略の日」でもあり、毎年激しいデモが行われてきた。
今年は1月26日祝日を否定する人は、仕事を休まないで出勤しても良い、で、30日以内に1日休暇を取ることを認める、ということになって、オーストラリアデイに異議を唱える人々の要求が受け入れられるようになった。とても喜ばしい。

この日、1月26日で私が2人の娘たちを連れて豪州の地を踏んで28年経ったことになる。他の国を入れると在外日本40年。28年前、フィリピンから3人で、小さなバッグと4丁のバイオリンを背負って、降り立った日、シドニーは青く晴れ渡っていた。
あと1年高校3年をインターナショナルスクールに留まっていれば、ハーバード大学医学部に推薦入学できると言われたが、2人の娘を米国の私立大学に通わせるだけの学費が出せない。米国よりは豪州の方が安い、と判断しシングルマザーで親戚も友人もないし、職もない状態で豪州に来て、その判断が間違っていなかった、といま言われることが一番うれしい。今では娘たちは専門職に就き家庭を持った。日本には親兄弟は居なくなったが、友人たちがいる。人は生きやすい場で生き、連帯を求める。

どこに居ても国の権力者の腐敗と、富裕層による労働者からの収奪は変わらない。どんなに政府がアボリジニを保護してもレイシストによる心ない暴力や、アボリジニの平均寿命がノンアボリジニと10年以上異なる実態は変わらない。しかしそれが誤りであることを指摘する人々の方が多数であり、世界では、パレスチナで人々が銃に向かって石を投げ、極右による政権を守るために司法弱体化させる案に反対するイスラエル民衆がデモをし、 ペルーでは革新大統領ペトロカステオが拘束されたことに怒る人々が決起し、 フランスでは年金受給者年齢引き上げに反対する人々が怒りを表明し、 米国では連邦裁判所は妊娠中絶を禁止したことに怒る人々が立ち上がり、 アフガニスタンでは教育を禁止するタリバン政権に女性たちが危険を顧みずに抗議し続け、 韓国ではユンサクヨン政権の、労働時間延長する新法に人々が立ち上がっている。世界の1%の富裕層が世界の富を掌握し懐柔する社会に抵抗するのは、私たちの生きる権利だ。

すべて世界はつながっている。人は人を殺さずに協調して平和に生きていきたいだけなのだ。ゴリラは仲間を殺さない。ヒトとチンパンジーとは遺伝子が98.8%同じなのに、チンパンジーは一つの群れが全滅するような争いはしない。なぜ人はこんなにも強欲になってヒトを殺すようになってしまったのか。オーストラリアデイに改めて、殺すな!と叫びたい。
I am singing [ I still Australia Home ].
I came to Australia on this day 26-January, 28 years ago with my 2 high school daughters from the Philippines.
This 28 years, ,struggled, cried, carried pain, made huge effort, achieved, successed, played, laughed, and enjoyed, then still going on.