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2012年6月19日火曜日
映画 「ロック オブ エイジズ」
1987年、アメリカ。
歌手になることを夢みてオクラホマの田舎からハリウッドにやってきた女の子シェリーと、ライブハウスで働く青年、ドリューとのラブロマンスミュージカル。ブロードウェイで成功したミュージカルの映画版。 ロック オブ エイジズは、ロックの歴史と言うような意味。ロック オブ エイジドで、最後が、SでなくてDだったら、年寄りのロックという意味になってしまうから、注意が必要。ははは。
監督:アダム シャンクマン
キャスト
ステイシー ジャック :トム クルーズ
ヘイ マン(チンパンジー):ミッキー
ドリュー ボレイ :デイゴ ボネタ
シェリー クリスチャン :ジュリアン ハー
ロスアンデルス市長夫人 :キャサリン ゼタ ジョーンズ
ロス市長 :ブライアン クラストン
ライブハウス主デニス :アレック ボールドウィン
デニスの恋人 :ラッセル ブランド
ステイシーのマネージャー :ポール ジアマテイ
ストーリーは
オクラホマの田舎からロスに、歌手になることを夢みてやってきたシェリーは ロックで有名なライブハウス「バーボン」の店に前で 大切なレコードを入れたスーツケースを盗まれてしまう。そこで シェリーを助けようとしたライブハウスで働く青年ドリューに出会う。スーツケースを失って 途方にくれるシェリーを放っておけなくて、ドリューは「バーボン」の経営者デニスにシェリーを紹介する。運良く、シェリーはウェイトレスとして職を得ることが出来、ドリューとシェリーはすぐに愛し合い 一緒に暮らすことになる。ドリューも、ライブハウスで下働きをしているが、いつか舞台の上で自分の作った歌を歌って成功する日を 夢みていた。二人は共に励ましあいながら 自分達で詩を書き曲を作って練習を重ねていた。
ライブハウスに、ロックのスーパースターのステイシー ジャックが歌いにくることになった。彼はロックのカリスマ。約束の時間は守らない、酒を浴びるほど飲み、女達を従えて、屈強の用心棒達をかかえ、凶暴なチンパンジーを唯一の親友として常に連れ歩いている。強力なオーラを放ち、過度に露出と、セックスを連想させるパフォーマンスで女性ファン達のセックスシンボルになっている。彼の背中には天使の羽、左胸にはハート、乳輪に蛇、両腹に二丁のピストル 肩にナイフの刺青を彫り、全身レザーの服に身を包む。ステイシー ジャックの行くところ、見つめられた女はみな失神する。
現に シェリーもライブ前にドリューの前で失神。シェリーはウィスキーを持ってくるように言われて、ステイシージャックの舞台裏の小部屋に入る。そこでウィスキーのビンを割ってしまい、謝りながら部屋から飛び出してきたシェリーと、部屋の外で、皮ズボンを直すジャックの姿を見て、ドリューは二人が関係を持ったと誤解してしまう。ドリューに責められて シェリーは意味が分からないまま、怒って店を辞めて出て行ってしまう。
後を追うように、ドリューも、ステイシー ジャックのマネージャーの甘言に乗って、歌手の道が開けることを期待して、ライブハウスをやめてプロの所属歌手になる契約をする。
店を飛び出したシェリーに仕事は簡単には見つからない。行き倒れていたところを 拾われてストリップダンサーとして生きていくしかないことを悟らされる。ドリューもマネージャーの意向で ボーイズバンドのヒップホップを歌うことになって、自分の歌が歌えないことに希望を失っていた。
ある夜、ドリューが思い出の場所、ハリウッドの丘の上で、夜景を眺めていると、そこにシェリーがやってくる。短い会話の中で、ドリューが ジャックとシェリーか関係を持ったのは自分勝手な思い違いだったことを知って、深く後悔する。そして、ストリッパーとして生活の糧を得ていたシェリーのもとに、シェリーがむかし失った彼女の宝物だったレコードを探し出して送り、謝罪する。
再び ステイシー ジャックがライブハウス「バーボン」にやってきた。彼の前座を勤めるのは、ドリューの属する、ボーイズバンドのヒップホップだ。店の観客は一斉に、子供だましのボーイズバンドにブーイングを送る。ここに駆けつけてきたシェリーが、舞台に上がってドリューと二人で作った歌を歌いだし、ドッリューにロックにもどるように促す。ドリューは、シェリーを見て燃える。ロックバンドに戻った彼の歌に、観客は大喜び 熱狂する。これを機会に やがて二人はステイシー ジャックが出演する大きな舞台で、彼と共演できるまでに人気が出て、、、。
というハッピーエンデイング。
出てくる歌は
ボン ジョビの「ウォンテッド デッド オア アライブ」
デフ レパードの「POUR SOME SUGAR ON ME」
スコロピオンズの「ロック ユー ライク ア ハリケーン」
フォーリナーズの「I WANNA KNOW WHAT LOVE IS」
ジャーニーの「DON"T STOP BELIEVEN」
誰のか知らない「I WILL BE WITH YOU」
ボン ジョビの「I AM A COW BOY」などなど
デイゴ ボネタと ジュリアン ハーが演じる、ドリューとシェリーのカップルが、可愛い。デイゴ ボネタはまだ21歳のメキシコ人。あまいフェイスでパワフルに歌う。
ライブハウスの主、デニスとゲイの恋人関係も、可愛い。デニスを演じたアレック ボールドウィンは、54歳、ふだんは、弁護士とか刑務署長とか、シリアスな役ばかりに出ていたいたナイスな中年だったが、ヨレヨレのジーンズでロックを歌って踊るのには驚いた。恋人役のラッセル ブランドはイギリス人のコメデイアンだが、彼もまたパワフルに歌っていた。
キャサリン ゼタ ジョーンズがせっかく出ていたのに、彼女に充分踊らせなくて残念。最後にみごとな黒タイツ姿をちらっと見せてくれたけど。「シカゴ」で見せてくれたダイナミックなダンスが忘れられない。もう子育ては充分しただろうから、ミュージカル映画に復帰して欲しい。出演者みな 歌も踊りもうまい。良く聴く曲ばかり出てきて、歌唱力のある人たちが ストーリーにそって、歌って踊ってくれて とても楽しい。
しかしこのミュージカル映画、完全にステイシー ジャックこと、トム クルーズが食っている。「トムの、トムによる、トムのための映画」と言ってよい。徹底した奇人 奇行ぶり。羽目の外し方が 並みでない。チンパンジーと手をつないで、二人(?)で、人を食った予想外のことばかりする。アルコール中毒で、目が完全に宙を彷徨っている。そんなロックのカリスマが、いったんマイクを持って 歌いだすと 激しいリズムに 裸の体をのせて歌いまくる。パワーがすごい。49歳のトム、エネルギーパワー全開だ。3万人のアリーナに集まった観衆が 熱狂して絶叫する。
ガンズ アンド ローゼスのボーカル、アクセルローズの教授を受けたそうだが 先生がいても誰にもできることではない。パワーに圧倒された。やはり、トム クルーズは役者として天才的なひらめきと、実力を持っている。
ロックは永遠だ。カントリーミュジックや、ブルースや、フォークや、ヒップホップや、電子音などを取り入れながら時代と共に どんどん変化していく。しかし、ロックはいつも、歌う人と聴く人とのへだたりを最小限に縮めて 一体となって楽しむこのとできる場だ。ロック オブ エイジズは君が、そして君が、継承して、つないで行くものだ。だからやっぱりロックって最高。