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2011年5月25日水曜日

映画 「パイレーツ オブ カリビアン4 生命の泉」




パイレーツ オブ カリビアンの第4作、「生命の泉」3Dくを観た。
監督が変わって ロブ マーシャルになった。「シカゴ」、「NINE」などのミュージカルを手がけた監督だ。137分。デイズニー配給のアメリカ映画。ハワイで撮影された。

第1作「呪われた海賊たち」、第2作「デッドマン チェスト」、第3作「ワールドエンド」の3作は、カリビアンの海賊首領のジャック スパロウが主役というよりも、ウィル ターナーと エリザベス スワンの恋がメイン ストーリーだった。

第1作で、子どもの時に ウィルとエリザベスは ボートで運命的な出会いをする。時がたち、大英帝国の総督の娘、エリザベス(ケイラ ナイトレイト)は大人になって 貧乏な鍛冶屋のウィルに 再び運命的な出会いをして、二人は恋に陥る。ウィル(オーランド ブルーム)は 貧しい天涯孤独な青年だが 父親から受け継いでいた彼の血が 海賊たちの狙う財宝を開ける鍵になる。
第3作で この二人はやっと結婚にこぎつけるが、ウィルは 「さまよえるオランダ人」の伝説どおりに永遠に海の上を彷徨い続け、7年に一度だけ上陸を許されて エリザベスに会う。
第3作のエンデイングロールが終わった後のフイルムでは、7歳になった子供と並んで丘に立ち ウィルの帰りを待つエリザベスの姿で終わった。伝説どおりで行くと 上陸を許された時の 心の行き違いでウィルの船は 沈んでしまい、女は身を投げて二人とも死ぬが、これによって永遠に二人は救済されるというお話がある。ともかく、ウィルとエリザベスのお話は 1-3作で終了した。もう、この海賊シリーズで オーランド ブルームとケイラ ナイトレイトに、会うことはできない。

第1作から第3作までの主役をウィルに譲り 舞台回しの役をやっていた キャプテン ジャック スパロウ(ジョニー デップ)が 第4作では文字通りの主演主役をやる。おなじみの登場人物、黒ひげ(イアン マグシェン)、キャプテン バルボサ(ジェフリー ラッシュ)、ジャックの父 キャプテン スパロウ(キース リチャード)、ギブス航海士(ケビン マクナリー)、も みんなみんな健在で 登場する。ジャックの昔の女で、黒ひげの娘アンジェリカ(ぺネロペ クルース)が 初登場する。

飲めば永遠の命を持つことが出来るという「生命の泉」を求めて 大英帝国も スペイン政府も キャプテン バルボサも、黒ひげも アンジェリカも ジャック スパロウも探索の旅に出る。
生命の泉から湧き出る水に 人魚の涙を1滴落とした水を 二組の銀の杯に入れて飲み干したものだけが 永遠の命を手に入れることができる。まず、人魚を生け捕りにしなければならない。
月夜にボートを浮かべて、若い男が恋の歌を歌う。歌声に誘われて 人魚達がやってくる。しかし人魚達は その美しさで、男達を魅了して海底に連れて行って沈めてしまう。キャプテン バルボサは 黒ひげの捕虜となったジャック スパロウを利用しながら、人魚を生け捕りにして、生命の泉まで連れて行く。探し当てた泉で、英国軍、スペイン軍、バルボサ、黒ひげ、アンジェリカとジャック スパロウの全員が 顔をあわせることになって、、、。
というお話。

監督が変わったが、音楽の素晴らしさ、映像の美しさは変わらない。これは海賊というお伽噺だから、画面が美しくなければならない。デイズニーが全力投球して 沢山お金を使って製作しているだけに映像は素晴らしく美しい。
ジャック スパロウは、海賊の首領なのに、片目がつぶれている訳でもなく 怖くもない、いつも英国軍からは追われ、バルボサ側や黒ひげ側にとっ掴まって 脅迫されて財宝までの道案内をさせられる冴えない首領、おまけに今回は彼の船を沈められているから、海賊船さえも持っていない親分。女たらしで へろへろしていて、もったいぶっていても、実は逃げ回ってばかりいる。ジョニー デップが作り上げたジャック スパロウに 魅了される。彼の役者としての 徹底した役作りのこだわりが 実に愉快だ。カリビアンの海賊は まったくもってジョニー デップが作り上げたおとぎばなしだ。

ぺネロペ クルースの舌足らずの英語が可愛い。子どもの時から役者よりもダンサーになりたかった と言っているが、彼女の健康で水みずしい姿が美しい。映画「帰郷」で 酒場で仲間達にせがまれて、ギターを抱えて民謡を歌った場面が忘れられない。スクッと姿勢を正して こぶしの効いた民謡を歌出だしたとたんに、スペインの乾いた大地が感じられた。彼女には強い女の役がとても似合う。

今回初登場の宣教師 フィリプを演じたサム クラフトンと、彼が恋の陥る人魚のシレーナを演じた アストリット ベルジェ フリスべが 印象に残る。人魚がたくさん出てきて、それがみんな美人。特にシレーナは人間に生け捕りにされて何度も死に絶え絶えになる姿が はかなくて、可哀想で、宣教師フィリップが何度死んでも 助けにもどって来い と祈らずにいられない。

第4作は このシリーズで初めて3D画面になったが、特に3Dで見る価値はない。どう観ても とてもきれいな画面で よくできている。前回沢山出てきた えぐい怪物や 生きていて戦う怖い骸骨も出てこない。安心してみていられる。筋も単純でわかりやすい。
この海賊シリーズはとても おもしろい。1作目から4作目まで、全部続けて観たら 見落としていたことがたくさん出てくるだろう。どうして ここに、というような 意味がわからなかったところなども、納得できるだろう。新しい発見も沢山ありそうだ。
長い長いエンデイングロールのあとの映像で、次の第5作も ぺネロペ クルースで続くことがわかる。今後も キャプテン ジャック スパロウに敬意を表して 見逃さずにちゃんと最後まで観よう。このシリーズ、何作続いても、おもしろい。