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2008年7月13日日曜日

シドニーは戒厳令


ワールドユースデイで、ローマ法王べネデイクト16世が シドニーにもうじき到着する。
7月17日から21日までシドニーい滞在して世界の若者達の祭典でミサを行う。イベントは 7月14日から21日までくりひろげられ、世界各国から 12万5千人、国内から10万人 の人々が シドニーに集まってくる。 これについては、可哀想な馬にことよせて、6月16日の日記で書いた。

いま、空港では沢山の若い人々が 続々と大きなリュックを背負って 到着しては、引き受け先の学校とか教会とか軍の施設に向かって散っていっている。町を歩くと 地図を片手にした若くてちょっと良い顔をしているが ちょっと垢抜けない感じの若者達が たくさん歩き回っている。ほとんどの人は 真夏の国からきて、シドニーのひどい寒さに ショックを受けたはずだが、嬉しそうにしている。 オーストラリアのどこを見て帰るの?というテレビニュースのマイクを向けられて、「オペラハウスとグレイトバリアーリーフとエアーズロック」と答えた青年、、、シドニーのオペラハウスと、クイーンズランドのグレイトバリアーリーフまでは飛行機で2時間半の距離だし、逆方向のアリススプリングは3時間のフライト、3つを見るためには1週間では足りないと思うけど。

会場のランドウィック競馬場では レースコースがつぶされて、とんでもなく大きな舞台が出来上がっていて 信じられないような沢山の椅子や簡易トイレが設置されている。 神が7日間で世界を造られた、アダムの肋骨の一部からイブが造られた と主張されても、私は困らない。人がこんなに複雑な細胞からできているので 進化して自然淘汰などを経てひとりでにできあがったとは思えない 神によって造られたとしか説明できないとして、進化論を否定し、科学の時間にダーウィンの進化論を教えず、聖書の科学性を教える私立学校が沢山あっても良い。ローマ教皇ヨハネパウロ2世は 進化論を認めたうえで しかし人の魂は神が造ったと折衷案で落ち着かせた。しかしいまだにカトリックの右派やイスラム教の保守派は 進化論を否定している。

ひとそれぞれ、違う考えがあっても良い。私達は自分の信じていることや考えていることが、それを反対している人たちも、たくさんい居るということを知っている。否定しようと むきになってかかってくる人々や、黙殺したり、抹殺しようとさえする人々がいることを知っている。時として、本当に抑圧を跳ね除けなければならないけれども、大抵は 反対している人々とも、一緒に仲良くやってける。それが社会というものだ。

ニューサウスウェルス州の知事、モーリス イエマは、イタリア人でカトリックだが、民意に反して ワールドユースデイの期間中 警察の権限強化を命令した。期間中の、イベントへの妨害、反対行動、参加者にたいする不快行動も、すべて取り締まるという。イベント参加者にたいして不快感や不便を感じさせた場合、警察が介入し 命令に従わないものは 拘束や、$5500の罰金を課せられる という。これでは戒厳令ではないか。

期間中 カトリックの祭典に対して、反対行動やデモを何故してはいけないのか。憲法で保障されている、人間の表現の自由は どうなのか。
カトリックのいう避妊や中絶に対する見解に反対する人々は多い。カトリック牧師による 少年への性的被害は数え切れない被害者を出してきた。
ワールドユースデイのためにレイオフされたホテル従業員、この1週間シテイーが交通規制されるため、強制自宅待機されている沢山の短期雇用者、パートタイマー、競馬場を明け渡した為 仕事を失った馬のトレイナー達、この期間学校閉鎖され行き場のない子供達、シテイーの病院が閉鎖されて遠くの病院に行かなければならない人工透析患者達、車が一斉規制されるシテイーのたくさんの劇場も、客が来られない為に影響が大きい。

ワールドユースデイに世界から集まってきている若者達は、自分の信条が正しいと信じるだけでなく、それに反対意見を持っている人たちが世の中には沢山居るのだということを知らなければならない。人は真空管のなかだけで生きていくことは出来ない。沢山の違う意見と出会って 考える機会に恵まれなければならない。だから、反対者を圧殺してはいけない。

ローマ法王が来るというだけで、警察の権限を強化させた知事、人として恥を知りたまえ。