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2006年10月16日月曜日
映画「デビル ウェア プラダ」
映画「DEVIL WEARS PRADA」は、とてもおもしろい、よくできた映画だ。
邦題はなんと言うのだろう?「プラダを着た悪魔」か、「悪魔プラダを着る」か、「悪女はプラダが好き」か? メリル ストリープの名演にはいつも感心する。
彼女、ロバート レッドフォードと「アウト オブ アフリカ」を演じたときは、デンマークアクセントで、「ソフィの選択」のソフィを演じたときはイングリシュアクセントで、今回は、ニューヨークアクセントで、役柄を徹底していた。彼女はカメレオンか??美しい顔と醜い顔の使い分けも秀逸。他の女優には、絶対 まねできない。
この映画では、とっかえつっかえ、ブランド服に身を包み、つま先から頭のてっぺんまでスキのないオシャレ、服にあわせた、化粧のオンパレード。 ニューヨークをベースにするファッション雑誌編集長の彼女はデザイナー達に コレクション発表の内容を変えさせてしまう程のパワーを持っている。。またワーカホリックであり、雑誌のスポンサーからは絶大の信頼を得て、第一線で、20年も働いてきた。 彼女の右腕、ダイレクターが、ゲイのスタンレイ トツチ。
そのファッション雑誌編集長の秘書に仕事さがしで、応募してきたのがアン ハスウェイ。大学でジャーナリズムを勉強してきた新卒で、キャリアが欲しくて面接にくる。ファッション雑誌の会社の面接なのに、彼女のダサい服装に職場の人々はあっけにとられる。 メリル ストリープとスタンレイ トツチとアン ハスウェイ、3人のうまい役者達のやりとりだけで、すごく面白い。それぞれが役にはまっていて、実に生き生きとして役を演じている。 くわえて、名前を覚えておこうとおもってて、忘れちゃったんだけど、メリルの第一秘書の若い女の子の演技がすごく光っていた。メリルのお気に入り秘書であるために、トップファッションに身を包み、サラダしか食べない やせっぽちの美人で、次から次へとかわる衣装に合わせてアイラインの引き方から、髪型までかえて自由自在に オシャレを徹底するコーデイネーションには脱帽。(あとで、名前はエミリーブラントとわかった。「IRRESISTIBLE」に出ている。)
アンは、初めは おばあちゃんから借りてきたようなスカートに、カカトの低いドタ靴はいていたのだけど、サンプルの服や靴をもらう内、ブランドを着こなして、きれいにストレートパーマをかけて、念入りに化粧もするようになって、みるみるうちに きれいになっていく。そんな過程を見ていて とっても楽しめる。 本当にオシャレって素敵。女の子に生まれて幸せ!って、みんな 感じたのではないかしら。
シドニーヘラルドお映画評では14歳から104歳までの女性が楽しめる映画だと描かれていた。 そんな風にして編集長の秘書として、パリファッションウィークでパリの一流でデザイナーたちと交流したり、有名なジャーナリストとラブアフェアがあったりするんだけど、雑誌の編集権をめぐるパワーゲームや、20年右腕だった仕事仲間を平気で、切り捨てたりする裏駆け引きに嫌気がさして、一人で、仕事をやめて、アンは ニューヨークに帰って来てしまうのね。
で、メリルににらまれたら、どの新聞社でも出版社でも雇ってもらえないと脅かされていたけど、ローカル新聞社に面接に行ってみると、その編集長は、メリルから、「あなたがこの子を雇わなかったら大バカよ。」といわれていて、採用が決まるところで、映画が終わる。 メリルは ただ残酷にアンをこき使って、使い捨てにしたわけじゃなくて、この新卒を それなりきちんと評価して 育てたわけね。文字どうりデビルなわけ。
役者としては メリル ストリープが勿論一番、二番が スタンレイ トッチとエミリーブラント、三番がアン。4人とも本当に演技がうまい。 アンは「プリンセス ダイアリー」でデビューして、「ブローク バック マウンテン」で、二人のゲイのうちの、片方の男の妻の役に出て、アカデミー女優助演賞をノミネイトされた。 この時ヒース レジャーの妻役をやった女優は、初々しい新妻から、やがて、お母さんになり、幸せな家庭を築いていたのに、夫が男の恋人と逢引するのをみて、狂ったように嫉妬する役を やってとてもよかったのに。この女優の20分の一くらいしか出番のなかったアンが助演賞にノミネイトされたので、びっくりした。確かに彼女にはすごくしっかりした存在感があって、夫がゲイだと認めることは 自分のプライドが許さないという 毅然とした姿が痛々しくも美しかった。良い女優になるだろう。先が楽しみだ。
そういえば このごろじっくり鏡をみてないな、とか、このところ新しい服も靴も半年くらい買ってないなあ、とかいう人は、この映画を観て、ちょっと刺激を受けたほうが良い。女の子同士で観て、すごく楽しめる映画だ。 これを 一緒にみて、一緒に楽しんでくれるような、男の子って私は好きだな。映画にでてくるような、19万円のプラダのバッグを買ってくれなくってもね!