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2025年4月23日水曜日

B-2 スピットステルス爆撃機

米軍は英国領デイエゴガルシア島に、B-2スピットステルス爆撃機を配置した。アフリカとアジアの間にあってインド洋に浮かぶチャゴス諸島のひとつだ。この戦闘機は全翼式ジェット戦闘機で1機20億ドル、同じ重さの金と同価格というほど、高価で高性能な戦闘機だ。
2023年10-7以降、米軍はパレスチナを攻撃するイスラエルを支援するために、紅海に空母を派遣していたが、今回デイエゴガルシア島に、最新鋭の戦闘機を配備したということは、いよいよターゲットをイランに向けて、戦争準備態勢に入ったことになる。
米軍はサウジアラビア、オマーン、UAE、ヨルダン、シリア、イラクに米軍基地を持つ。米国は中東の安全維持のため、と言いながら他国に戦争を仕掛けては、その国の油田の権益を奪い取り、米軍基地を作ってきた。
CIAの誤った情報に従いオサマデインラデインを匿っていると理由を付けて、米軍は2001年9月にアフガニスタンに空爆を開始し、2021年まで実に20年もの間、傀儡政権を作り戦争を続行し、17万6千人のアフガニスタン人を殺害した。また2400人のアメリカの若者を戦死させ、3800人の米国民間軍事会社の傭兵を戦死させた末、みじめな米軍撤退という名の戦線逃亡をした。そして何万ものアフガンの米軍協力者や米軍が訓練した政府軍を置き去りにした。ブッシュ、オバマ、トランプ、バイデン大統領は、この戦争犯罪人だ。
2003年にはイラクに大量兵器があると言う理由で、サダムフセインを倒すためにイラクを爆撃し、100万人のイラク人を殺戮、イラクの総人口の5%を失わせた。英国イラク調査委員会は、2016年、イラクへの参戦は不当だった、と結論した。米英軍によってサダムフセインは殺されるべきではなかった。
2011年カダフイ大佐をリビアから追放するために、オバマ大統領下の米軍はリビアを9700回爆撃し、カダフイ大佐を殺害し数十万人のリビア人を難民しし、国を2分してリビアの世界で最も良質だったオイルと天然ガスの基地を奪った。独立の英雄として優れたリーダーだったカダフイ大佐は決して殺されるべきではなかった。
2011年オバマ大統領下の米軍は、シリアでもアサド大統領を失脚させるためシリア内戦に介入し、国を2分して主要な油田を占領した。ダマスカスが陥落し、アサド大統領が失脚したのち、モハメドアルシャウラが暫定政権を取ったが、一方で米軍に支援されたイスラエル軍は危機に乗じて、ゴラン高原を占拠しユダヤ人の領土を拡大している。アサド大統領を失脚させるべきではなかった。
2015年から、オバマ大統領下の米軍は、イエメンでサウジアラビア主導の連合軍に関与しイエメンを空爆、この時の攻撃だけで50万人のイエメン人が命を失っている。現在は、イスラエルの組するフーシ派が、紅海で商船を攻撃している、という理由で米軍は直接イエメンに空爆を繰り返している。
2024年9月には、レバノンのベイルートで、イランの宗教指導者ハッサンバスララを空爆で殺害し、米軍を後ろ盾にしたイスラエル軍によるレバノン地上侵攻戦で、数千人の死者を出した。卑劣な通信機器の一斉爆破では、37人の死者、4500人負傷者を出した。これに米国のCIAが関与したことを認めている。10月にはレバノンへの地上侵攻が始まり戦闘が続いている。ハサンナスララはイラン人の心の支えであり、殺されるべきではなかった。
米軍はアフガニスタン、イラク、リビア、シリア、イエメンで、200万人を超える殺人を行ってきた。その土地で戦争を仕掛けて殺しまくって米軍基地をつくり、油田を強奪する。米国は一時として戦争を止めたことがない。武器製造会社が国の経済を支えている。地中海沿岸にはまだ手つかずのオイルと天然ガスが埋まっているからだ。
サウジアラビア、オーマン、UAE、ヨルダン、シリア、イラク、そしてデイエゴガルシア島の米軍基地が、ぐるりとイランを囲んで、さらなる中東諸国のオイルを奪おうとしている。
日本は、どんなことがあってもこれに加担してはいけない。
殺すな!
(写真は、1機20憶ドルのB-2スピリットステルス爆撃機)



2025年4月9日水曜日

肋骨骨折

人には痛みに敏感な人と鈍感な人が居て、私は鈍感。
その朝は、職場で若い人たちへのトレーニングがあって、とても忙しかった。仕事が終わって、家に帰ってやれやれと、夕食後のニュースを見ようとしたら、少し前から左胸が重かったが、突然ひどく痛くなって呼吸ができない。心臓をわしずかみされている感じ。浅い息を吸うが息が吐けない。鉄の腕でで心臓が掴まれて、痛くて両手で強く抑えていないと、胸から背中に放射する痛みが強くて立っても座っても居られない。血圧を測ってみると上が200近く、脈も信じられないほど速い。
これって心筋梗塞だよね。じゃなかったら急性肺炎か気胸か。浅い息で地面を這うような姿で車に辿り着き、へろへろ運転で2ブロックほど先の救急病院に到着。受付で胸痛を訴えた。
オーストラリアでは、死因の第1番がハートアタックなので、私のような老人が胸痛を訴えると、トリアージナンバーワン、すぐに心電図、血液検査、レントゲン検査に回される。
救急室はあっちでもこっちでも血を流したり、吐いている赤ちゃんや、鼻が折れて変形した顔の人や、泣いている救急患者に挟まれて、待つこと3時間。

結果は何にも悪くない。けれどお家に帰れない。以前、私が病院の心臓外科病棟に勤めていたことがあるのを知っている若い女性のドクターは、何故かわからないけれど、胸痛が収まらない患者は、家に帰したがらない。その胸痛は前兆に過ぎなくて、家に帰したとたんに大発作が起こって翌日死んで見つかるかもしれないからだ。再検査で再び2時間待つが、結果は良し。救急室で5時間待って、検査結果が良いのに痛みが治まらない。
どうしてだろうねーと、検査結果の画面をドクターと二人で眺めながら不思議不思議。ところで、その顔のアザは何なの?と聞かれて、ウーム、思い出した。今朝、職場に向かって入り口で蹴つまずいて転んだのだった。硬いコンクリート道路で倒れて左側の頬と、肘と手と膝小僧と腰を打った。でも忙しくてすっかり忘れていた。

「そっか、肋骨を打っていたんだ。なあんだ、肋骨骨折じゃん。」と女医さんと一気に「謎」が解けて大笑い。ハイタッチに、ばんざい。わっはっはと笑いあって、やっとお家に帰れる嬉しさでぴょんぴょん跳ね上がりたい気分。肋骨骨折の診断が下って、大喜びする女医と患者の姿も珍しいだろうが、心臓じゃなくて良かった。肋骨骨折の治療法はない。休めば治る。
嬉々として、でも痛くて空気中をクロールで半分溺れながら泳ぐような姿で帰宅して3日間、何もせず自重していた。食べて寝るだけの3日間。4日後には、娘たちの誕生会ランチのため、家族全員がそろう。家族に迷惑が掛からなくて良かった。
年寄りのひとり暮らしは充分楽しいが、それなり、小さなドラマもあったりしてはらはらする。

LADY GAGA「ALWAYS REMEMBER US THIS WAY」
レデイ―ガガのこの曲は、一緒にバンドをやっていた男の子が死んでしまって、女の子がそれを思い出して歌っている。自己流の訳は以下。

アリゾナの焼けるような太陽に、目が沁みて痛い。 あなたが私を見る目に燃える火を見たい。  カルフォルニアに埋まってる金みたいに 自分で見つからなかった自信を、あなたがくれた。  だから息が詰まって、言葉が見つからない。   いつもサヨナラを言うたびに、とても傷ついた。  陽が落ちる時、バンド演奏が終わる時、いつも私たちのことを思い出す。
夜、恋人たちは詩を口ずさむ  私たちは韻をふむやり方も知らなくて  だけど あなたはどこにも行かないということ   私の一部分だもの   あなたは絶対死んだりしないって
私は息が詰まって言葉が見つからないとき  いつもサヨナラをするとき とても傷ついた   陽が沈むときバンド演奏が終わってしまっても  いつもみたいに  こうやって思い出す。





2025年4月1日火曜日

トランプのロシア、ウクライナ間の停戦案

バイデン前米国大統領が無条件でウクライナに送った、総額1197憶ドルの武器代金を回収するために、トランプ現大統領は、ウクライナの鉱物収益分配協定への調印をゼレンスキー大統領に求めている。
トランプの意向を受けて、スコットベーセント財務長官が、ゼレンスキーに調印を求めている18項目の協定は、ウクライナを米国に売り飛ばすような協定だ。協定には、ウクライナのレアな鉱物だけでなくウクライナ全土の石油、ガス、未開発鉱床を含む全部の鉱物を、無期限に米国が採掘権を持ち、管理するという酷い内容だ。これにゼレンスキーがサインすると、ウクライナは米国の植民地になる。
ここに来て、ゼレンスキーが協定にサインする代わりに、NATOに入れてくれる約束はどうなったのか、トランプに聞いたら、彼はそんな約束はない、と激怒したという。

しかし事実は今年の1月に、英国ストーマ―首相とゼレンスキーとの間で、ウクライナの地下資源を英国と共同で開発し、英国が100%負担して利益を取るが、その代わりにウクライナの安全を保障する、という2国間の合意ができていた。もちろん英国はウクライナを単独で守らない、空約束だ。
安全を保障しないが、今までの武器費用を返済しろと迫る米国と、安全は保障するが鉱物は全部英国の物だと言い張る英国。

トランプは、もう一方のロシアの大統領プーチンにも激怒していて、どうして停戦しないのか、と恫喝している。トランプの停戦案をロシアが飲むわけがない。まず停戦して、NATO 軍を両国の間に平和維持軍として送る、というとんでもない提案だ。EUからの軍の派遣は、そのままEUの参戦を意味する。今までウクライナに武器を送っていたEUが、中立の立場で停戦を維持するわけがない。ロシアに対し開戦することになって、戦線拡大以外の何でもなくなり、EUは国境監視団、平和維持軍という名の攻撃型最先鋭の兵をロシアに送るだろう。仏国、英国、独国の要請を受け、求められたならば、オーストラリア政府まで平和維持のために派兵するとアルバニー二首相は言った。冗談ではない。

クリミア、ドネツク、ルハンスク共和国の独立を認め、ロシアにもウクライナにも帰属しない自治権を認めることを、ロシアのプーチンは開戦前から主張していた。彼らのことは彼らが決める。ウクライナは手を引くべきだった。また、ゼレンスキーはNATOに入れてもらって米国基地と英国基地のもつようになる夢を見るべきではなかった。
ロシアもヨーロッパ各国も、英国も、みんなみんなウクライナのオイル、ガス、鉱物を欲しがっている。それを武器産業が煽って戦争が起きて、また停戦という名の戦線拡大が起きつつある。

国家とは、国民に安全と平和を守り、それぞれの生活と命を保障する義務があるにも関わらず、、、。
なんということだろう。エイプリルフールでも笑えない。