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2025年3月12日水曜日

アンチセミチズム法

豪州のNSW州では、この2月に、アンチセミチズム法という新法が施行された。
アンチセミチズム:反ユダヤ主義という民族差別行為を取り締まり、ユダヤ教信者が安心してシナゴクで宗教行事ができることを目的とする。
ガザでイスラエル政府によるパレスチナ人へのジェノサイトが止めようもなく、6万人の犠牲者が出ている状況で、パレスチナ支援の声が広がっているが、ユダヤ人団体の圧力に負ける形でこのような規制が法制化された。これで豪州のユダヤ人は特別に保護される対象になった。

パレスチナを支援することは決してアンチセミチズム(反ユダヤ思想)ではない。現在の狂信的イスラエル政府によるシオニズムを批判しているのだ。にも関わらずパレスチナへの人道的支援を呼びかけ、イスラエル政府を糾弾する動きに、アンチセミチズムのレッテルを張って規制しようとする動きが急速に進んでいる。
豪州では先住民族アボリジニが、総人口の2%を占めるが、それ以外の、98%は主に欧州からきた移民で形作られた国だ。その中には長い歴史の中で欧州で差別されてきたユダヤ人もたくさん新天地を求めて豪州にやってきた。総人口のうちユダヤ人がどれくらいの比率を占めるかの統計はないが、ユダヤ教を信ずる人口は、豪州の総人口の、0.4%とされる。わずかなそれらの人々を保護するためにアンチセミチズム法が新設された背後には、右傾化する世界情勢と、増えつつあるイスラム教徒の勢力を制したい政府の意思がある。ユダヤ教信者に比べれば、豪州ではムスリム人口は、少なくとも10倍いる。クリスチャンの国だから、ムスリムへの嫌悪感もあるだろう。

法規制ができた切っ掛けは、1月にシドニー東部ドーバーハイツのシナゴクが放火され、ユダヤ人宅の塀に落書きがされ、家の前に駐車した車2台に火がつけられた事件だ。これは3月10日になって犯人が14人逮捕され、アンチセミチズム法とテロリスト法で起訴されるようだ。報道ではムスリムのテロリストによるものとされている。

また2月13日にシドニーの公立病院で、男女2人のナースがソーシャルメデイアでユダヤ人インフルエンサーと会話をしていて、「私たちはユダヤ人はケアしない。そうよ殺すわ。」と軽口をたたいたビデオが大々的に公表され、ナースたちは逮捕起訴された。若者同士の軽口とソーシャルメデイアの影響の大きさを示すものだが、これ以来ナースへのアタック、公立病院への人々の不信と不満で私の職場も影響を受けた。

また政府はこういった事件を機にムスリムへの規制を明らかに強化している。昨年イスラエル政府は、パレスチナガザのハマスをサポートしていたレバノンヒズボラの宗教指導者、ナスララ師を暗殺した。イスラエル軍は、1トン爆弾を、80発投下して彼のいたヒズボラ本部を破壊し彼を殺した。ナスララ師はレバノンの政治リーダーというよりも宗教指導者として人々の信心の支えだったから、彼を暗殺した罪は大きい。2月24日彼の葬儀がレバノンのベイルートで国家行事として行われたが、豪州政府はこの葬儀に参加するために国外に出た人は、二度と豪州に戻ってこられないように、ビザも永住権もはく奪する、と発表した。ムスリムは心の支えだった宗教指導者を悼むこともできなかったのだ。

アンチセミチズム法が出来て、テロリスト法もできて、うっかりユダヤ人をサカナに軽口をたたくこともできなくなった。
こうして社会の監視が強化され、報道管制と言論弾圧が進行していく。
ユダヤ人で冷酷無比の守銭奴、スクルージを皮肉ったデイッケンズのクリスマスキャロルは、アンチセミチズムか?
あくどい金貸し老婆は生きてる価値がないと、ラスコリー二コフに思わせて殺させた、ドストエフスキーはもう読まれないのか????

2025年3月11日火曜日

腐敗するウクライナ政府とNATO

ウクライナ、ロシア間の戦争が始まり、3年目に入った。
開戦前、もともとウクライナのルハンスク州の3分の1、ドネツク州の半分の市民は、親ロシアでロシア国内のパスポートを持ち、ロシアの国政選挙には、国境を越えて投票しに行っていた。かねてからプーチン大統領は、ルハンスク、ドネツク人民共和国の独立を承認するように、ウクライナに呼び掛けていた。

しかしゼレンスキー大統領は、2021年10月ロシア、ウクライナ間のミンスク合意を破り、親ロシア地域をドローン攻撃し2600人の市民を殺害した。
火種を持ち込んだのは、ブッシュジュニア大統領で、ウクライナを、NATO軍に加盟させようとして内戦を拡大させた。1990年ドイツ統一の際には、米国がロシアに「NATO軍の管轄は1インチも東に拡大しない。」と確約した約束を簡単に裏切ったのは、ブッシュからオバマまでの米国大統領だった。
ルハンスク、ドネツク人民共和国のことは、国民投票で独立するのか、ウクライナに帰属するのか、住民の彼らが決めることだ。ウクライナが介入すべきではなかった。

2022年2月にゼレンスキーが国家動員令を発令してから、16歳から60歳までの徴兵が行われウクライナの人口2000万人のうち200万人の国民が参戦している。
EU,米国、豪州からもウクライナには義勇兵が参戦し、純粋にウクライナの領土を守りたいと言う動機の若者もいる。一方雇われてお金のために入隊する兵も多い。コロンビアが最大で、中南米から来た傭兵が最前線に立っている。彼らに払われる給料は、米国とEUの援助金だ。

ゼレンスキーは、国際調査報道ジャーナリスト連合によると、イギリス領バージン諸島にペーパーカンパニーを作り、戦争が始まったばかりの2年間足らずの間に8億5千万ドル蓄財した。現在の資産は18憶ドルだと発表されているが、エジプトの高級避暑地にも、イタリアのトスカーナにも、ヤルタと英国にも豪邸を持ち、キーウには4つのアパートを所有していることを、2017年ウクライナ政府に資産申告している。ほかにもコートダジュールとフロリダに別荘を持っていると言われているが申告されていない。

欧米がお金を出し、ウクライナに戦争を継続させるように充分な兵器を送り込み、ウクライナ人だけでなく最貧国から傭兵を雇って使い捨て、ウクライナのトップは欧米の市民の税金からなる支援金で私財をため込んでいる。 
また新たに英国が米国の代わりにゼレンスキーに送ることを約束した450憶ユーロは、英国が自由にできる資金ではなく、ロシアの凍結されている資産なのだ。これは窃盗罪という立派な犯罪だ。
こういった構造を、腐敗と呼ばずに、何というのだろうか。

ノームチョムスキーは、「人々を受動的にかつ従順に保つ賢明な方法は受け入れられる意見の範囲を厳しく制限しながら、その範囲内では非常に活発な議論を許すことだ。」と言った。トランプに侮辱されたゼレンスキーが可哀そう。味方になってあげて、どんどん武器を送ってあげようーもっともっと殺さなくちゃ、、と言い続ける軽薄な論争を、もういい加減止めよう。
武器を送るな。殺すな。