2009年2月15日日曜日

映画「チェンジリング」


クリント イーストウッド監督による 映画「チェンジリング」(原題CHAGELING)を観た。140分。

主演アンジェリーナ ジョリー。これで彼女はゴールデングローブにも、アカデミー主演女優賞にもノミネイトされた。

ストーリーは
1928年のロスアンでルス。実際に起きた出来事を映画化したもの。 電報電話局で働く シングルマザーのクリステイン コリンズ(アンジェリーナ ジョリー)は 9歳の息子、ウオルターと二人暮し。ある日、いつもの帰りの電車を逃して 送れて家に帰ってみると 待っている筈の息子がいない。必死で探し回るが 見つからず 警察に失踪届けを出す。

失意の母親のところに 5ヶ月たって、ロスアンデルス警察署長(ジェフリー ドノバン)が、息子が見つかったと連絡してくる。警察と一緒に迎えに行ったクリステインの前に 現れたウオルター コリンズと名乗る子供は 息子ではない。警察に この子は自分の子供ではないと申し立てても 警察は この事件は解決したと宣言してクリステインの言い分を全く受け入れようとしない。 クリステインの息子ウオルターよりも3インチも背が低く 見覚えのない手術跡のある少年は 自分がウオルター コリンズだと名乗り、クリステインを混乱させる。

この頃 ロス警察の腐敗を告発してきた クリスチャン グループ(ジョン マルコビッチ)が 息子でない少年をクリステインに押し付けて 事件が解決したと 主張する警察に注目し クリスチャンの言い分に耳を傾ける。クリステインは この少年がウオルターではないという小学校の先生や小児科医の証言を取り、ロスアンでルス警察を告発しようとしたところで、警察の呼ばれ、そのまま精神病院に 強制入院させられ外部からの連絡を絶たれてしまう。クリステインを応援しようとした クリスチャン グループが必死で探しても、クリステインうを見つけることが出来ず、やっと彼女を見つけて救出くるころには 数週間もかかったのだった。 クリステインは精神病院に収容されている女性達が病人でもないのに ロス警察から目をつけられているというだけで、警察に収容するよりも簡単に強制入院というかたちで無法の征伐を受けさせられている現状を見て、自分が救出された後は ロス警察を告発する。これが契機に、精神病院は 開放される。

一方、ロスから 人里はなれた農家から おびただしい数の子供の人骨が出てきて、大量殺人事件が明らかになる。それで、沢山の子供の失踪事件をきちんと追求しなかった 警察の怠慢が人々から 糾弾されることになる。そして、逃亡から成功して生き残った子供の証言からわかったことは、、、。 というストーリー。

やはり、無駄のない映像、たるみも伸びもなく140分間、観客の退屈させずに一挙にみせる映画監督クリント イーストウッドの力に感銘を受ける。 アカデミー主演女優賞にノミネイトされたアンジェラ ジョリーの演技が とても良い。終始、彼女は息子以外 誰とも挨拶でも抱き合ったり キスしたりしない。握手さえしないで、誰の体とも触れ合わない。9歳の子供を持つ シングルマザーとはそういうものだと思う。やせて、清楚、きちんとした服装をしているが 地味で目立たない。 警察に精神病患者扱いされて、言い分を誰にも聞いてもらえない 一人で戦うしかない女。耳を傾け 力を貸しているジョン マルコビッチの救いの手を受けても、ひっそりとお礼を言って 一人帰ってくる。そんな かたくなな女の姿に共感を覚える。

1928年 こんな時代 シングルマザーで仕事を持ち続けるには、余程の覚悟が必要だったろう。女の真の強さをジョリーは とてもよく演じている。男よりも、女の人に人気のある女優だというのが 納得できる。 同じ頃に制作され発表された映画「グラントリノ」のようなユーモアとヒーローの大活躍はないが とてもよく完成された映画だ。80近い クリント イーストウッド、これからも、いくつも良い映画を作り続けて欲しい。