2008年2月14日木曜日

再び くじらを食べないで


オーストラリア連邦裁判所は 1月15日、南極海の保護地域での捕鯨が違法であるとの立場から、日本の調査捕鯨団の操業停止を命令した。

しかし、南極海で調査捕鯨をしている 日本の捕鯨船団は、世界から ひんしゅくの嵐をあびながら、しぶとく予定どうり ひき続きクジラを殺戮、南極海で血祭りをあげている。50頭の絶滅危惧種であるナガスクジラと、935頭のミンククジラが、次々と死刑台に送り込まれている。

オーストラリア連邦裁判所の命令に対抗して、日本政府は 南極海は どの国も領土権を持たないのだから、捕鯨をしても良いと、主張する。しかし、誰のものでもない南極海で、日本だけが 捕鯨して食料を確保して良いとは思えない。日本人だけが 南極海から資源を収奪して許されると思えない。

調査が目的ならば 殺さなくても調査できる。尾から獲るDNAが、調査対象ならば、殺さずに効率の良い調査の仕方があるはずだ。調査と言う名目で肉を捌いて 売り買いできるのはおかしい。 国民の税金10億円ものお金を使って 調査捕鯨するなら、調査結果を毎年きちんと国民に報告すべきだ。

ミンククジラの母娘と思われる2頭が槍を打ち込まれ、多量の出血しながら日本船に収容されていくところを放映した写真が世界のニュースで報道され、非難の矢面にたつと、すぐに日本側は あれはメス2頭であって、授乳中の母と娘とは思われない、と居直った。暖かい海で赤ちゃんを産んだクジラは、離乳期に 餌の多い南極の冷たい海に泳いでくるから、そのとき母乳が出ていなかったからと言って、母親でないとはいえない。

日本にいるとNHKニュースで目が覚めて、夜のニュースで眠るから 日本が鯨に関して どれほど世界で孤立しているか 気がつかないのではないだろか。 60年前、石油の補給路を断たれて、孤立した日本が中国、アジアに資源を買い求め海外派兵せざるをえなかったように、戦前の日本の孤立に人々は気つかないでいるのではないか。 資源の為にアジアの国々の主権を蹂躙し、収奪、強奪し、600万人の国民を犠牲にして、やっと戦争を終結した日本。その60年前の日本と南極海でクジラを血祭をあげる日本と、いかに相似していることか。

1、誰の領海でもない南極海で日本だけが誰のものでもない野生動物を 殺して食べ続けて良いと思えない。他に蛋白源が豊富な今日、どうしてもクジラを食べなければならない理由はひとつもない。

2、調査目的と言い その場で殺して肉を冷凍して 売買して流通させるのは、調査捕鯨ではなく、商業捕鯨としか考えられない。

3、捕鯨は伝統だと言うが 調査捕鯨が拡大され、クジラの供給が過剰になり、値崩れして、和歌山県太地町など、沿岸の伝統的な捕鯨漁士の生活基盤は、圧迫されているのが、現状だ。

4、調査捕鯨に毎年10億円の調査費が国民の税金から払われているが、国民は納得しているのか?それだけの出費に見合う調査結果が 毎年、情報公開されているのか。

5、鯨肉は水銀汚染(大きな魚ほど水銀蓄積量が多い)されている。政府が 妊婦、小児などは、大型魚肉は、週に40グラム以下に抑えるべきだ と指導しているのに 鯨肉を学校給食で出すのは矛盾している。学校給食で鯨肉を出すことを、父兄は納得しているのか。給食で出る肉は約70グラム、2週間分の水銀を摂取することになる。その上 家庭でもマグロなど、水銀含有量の多い魚を食べる機会は多いのに、政府はをどのように指導するつもりか。

6、1月19日北海道のホテルで 集団食中毒が起き鯨肉から、病原菌大腸菌が検出されたが、野生動物の肉は水銀、病原性大腸菌、PCB,プリセラ菌などお汚染から、安全といえるのか?

以上の理由から、クジラを食べるのは疑問。美しい野生動物を もういい加減食べるのは 止めにして欲しい。