2007年9月5日水曜日

APEC 首脳会議に反対する

ジョージブッシュ米大統領が来豪する9月4日の朝、ヘアカットのために 彼の泊まるインターコンチネンタルホテル前を通り、いつもの店で髪を切りメッシュにカラーを入れてもらって帰ってきた。世界一悪い奴、懸賞金つきのお尋ね者が 到着する日なので通行止めになっているかと思ったが、通常どうりの街の様子で、ちょっとびっくりした。でも夜10時到着といっていたから、夕方からはそのあたり、警備で一変したことだろう。

APEC会議のために9月5日から9日まで、ラリアの経済活動は停止する。7日金曜は学校も職場も休み、各国首脳が会議するオペラハウスと、彼らが宿泊するホテルのあるラリアの経済活動の中心マルチンプレイスあたりは封閉鎖されて 市民が立ち入ることは出来ない。デモで大量の逮捕者が出ることが予想されるが市の中心部にデモ隊は一切入れない。

ジョンハワード首相は今回のAPEC会議のテーマは 1、地球温暖化対策、2、貿易自由化、3、地域の安全対策 の3つになると発表した。ジョンハワードが10月以降に予想されている選挙で退陣し、新しくケビン ラッド労働党党首が首相に任命される可能性が強いが この、ケビンがAPECでのジョンの対応を絶賛して、僕が首相になっても、ジョンと全くおんなじことをしますよ、と確約?したのには いまさらながら あきれた。ラリアでは自由党と労働党とは対立する政党ながら、酷似する双子のようなものだ。労働党というから労組を基盤にした世界の労働者の味方かとおもったら、とんでもない、ラリアの労働者のために、移民労働者を認めず、地下資源で核兵器のもとになるウラニウムを外国に売るのも大賛成、人権も、世界平和も、環境問題も、へったくれもない。ラリアにタカとハトはなく、タカとワシだ。

アメリカではアフリカから奴隷を連れてきて アメリカ経済の土台に利用するために奴隷を殺さなかったが、ラリアでは先住民族アボリジニーを奴隷として使うには怠惰すぎるという理由で、「害畜」として、カンガルー同様に撃ち殺した。クイーンズランドやタスマニアではアボリジニー人口が零になるまで絶滅させた国だ。こんな血まみれの歴史を持った国は他にはない。

APECに先だって、中国のフージンタオ主席が いち早く西ラリアに来て次々と商談をまとめた。日本より一足でも早く 一銭でも安く日本に買占められないうちに石炭、鉄鋼、鉱石を買い付けたわけだ。これで、日本にはどうしても必要な ラリアのエネルギー石炭、LPGガス、アルミニウム、原油などは先手中国に持っていかれてしまって、アベが来た時には残るのは 日本の農産物自由化への圧力だけだ。アベはブッシュとハワードの圧力に耐えられるのか? ラリアから安い米、小麦、砂糖、乳製品、牛肉が関税なしに入ってきたら、日本の農業、牧畜は全滅だ。

このようにAPECは、先進国の中でも最も豊かな国同士がもっと豊かになるための取り合いごっこだ。だから、私はAPEC そのものに反対する。地球には200カ国ちかい国があり、63億人の人が住んでいる。先進国が勝手に富を分配してはいけない。

世界の最富裕国が世界のGDPの88%を占めるような 世界経済構造はまちがっている。グローバリズムは 世界の経済発展を促進したが、逆に最貧国を最富裕国との経済格差は広がる一方だ。
少数者による世界支配を許してはならない。APEC首脳会議に反対する